大学2年生になった私は、部活の先輩方が就活をしている姿をみて、大学を卒業したら自分はどんな進路を進むのだろうかと、ふと思いました。もちろん今まで、「この職業に就きたい!」や「将来、〇〇になりたい!」など自分なりに思い描いて、人生の方向を決めてきたわけですが、本当にそれで良いのかな、もっと様々な職業や働き方があるのではないのかなと真剣に悩み始めました。
そんな時、一人の教授と一人の医者に出会いました。二人とも私に「君はどんな人間になりたいのか」、「これから何を大切にして生きていきたいのか」、「生きる目的は何なのか」と尋ねました。これまで漠然としかそのような問いを意識することはありませんでしたが、将来のことで悩んでいた私は真面目に考えてみようという気持ちになりました。色々と本を読み漁ったり、様々な人の話を聞いたりしているうちに、結局のところ職業などで将来を決めるのは間違いではないかと思い当たりました。そして、自分は自分にとって身近な人を大切にして生きていきたいし、それが自分にとっての生きる目的なのではないか。その考え方を貫ける仕事なら自分にとってプラスになるのではないかという結論に至ったのです。
では、身近な人を大切にするために必要なことって何なのでしょうか。その答えを、多くの方と深く接する機会が持てるブライダルの仕事を通して見つけてみようと思い、現在の職場で働くことにしました。
その答えはすぐに出ました。それは一言で言えば、思いやりです。この言葉は小さい頃から多くの人に言われてきたので、なじみ深く、当たり前のことだなと思っていました。でもよく考えてみると、この一言を理解するには、単に相手のことを気遣うだけでは足りないように思えてくるのです。つまり、相手を気遣ってもそれが相手の内心からずれているのでは意味がなく、内心を察してそれを的確に実現することまで含んで思いやりという言葉なのではないかということです。
この考えを持つようになったきっかけは、職場の先輩のある行動を見た時でした。その日は、天候があまり良くない上に少し狭めの会場で、多くのゲストがいらっしゃっており、多少蒸し暑く感じる日でした。新郎新婦様は、パーティー終盤に自らライブを行った後、多くのゲストをお見送りして、会場内に戻って来られました。その時、色々とこなす仕事がありながら、その先輩は冷たい飲み物を準備してお二人を迎えたのです。
その先輩にとってこの行動は当たり前のことなのかもしれませんが、私にとっては「なるほど、思いやりってこういうことなのね」と目から鱗の瞬間でした。客観的に状況を判断すると、お二人が会場に戻ってきた時に、一番何をしたいのか、何を望んでいるのかということが見えてきます。それを外さないで、的確に実現する。このことを深く学び、人間的にも成長できた良い経験でした。
インターンを通して、思いやりだけではなく、言葉遣いなどの実務的なスキルや知識も多く学びました。人間的にも、実務的にも成長できた理由は主に二つあります。
一つは、一人一人が責任を持って働けることです。
披露宴やアフターパーティーは、新郎新婦、ゲストの方々にとって特別な一日です。一度しかない特別な日が失敗してしまうことはあってはなりません。ゲスト全員に楽しんでもらえるような時間を提供するために、社員の方々もインターン生も一人一人が責任を持って、パーティーを成功させるという強い思いを共有できる環境であると思います。
二つ目は、緊張感がある中でも、自分なりに考えながら働ける環境だからです。
社員の方々は、ゲストや新郎新婦のことを気にかけるのはもちろんですが、一緒に働くメンバー全員にも深く配慮し、チームとして、良い雰囲気を作り出してくれます。良い雰囲気の中で働けるので、リラックスしながら機転を利かせて、ゲストのために尽くすことができています。
それは人間力を高めてくれるものです。
まだインターンを始めて2、3ヶ月ですが、心遣いを学び、技術的成長ももたらしてくれました。さらに、様々な方々とお話しすることを通して、多種多様な価値観にも触れてきました。
人の心を相手にする仕事の難しさは並々ならぬものがあります。でもだからこそ、やりがいがあり、人間力も発揮できます。これからも、多くの成長をもたらしてくれるだろうし、多くの人との出会いも待っていると思います。
私は知識量も少なく、まだまだ未熟な存在ですが、これから先、たくさんのことを吸収して成長につなげていきたいです。
ぜひみなさんも、興味のあるインターンにアプライしてみてください!
株式会社NOVICでインターンをさせていただいており、キャストとして、パーティー運営に関わっております。 普段は陸上競技に励みつつ、主に法律や政治を学んでいます。