自分には、6歳離れた身体障害を抱える弟がいます。彼とはイラストブック等を用いて意思疎通を図っていましたが、意思を汲み取れないことも多く、もどかしさを感じてきました。
しかし、最近はiPadなどの先端デバイスを使うことでコミュニケーションの幅が少しずつ広がってきたことから、最先端の技術を駆使したものづくりは障害がある方の社会的自立に役立つと考えるようになりました。
大学では、支援器具の開発に、最先端の素材研究分野から携わりたいと思い、化学を専攻しました。
大学院に進学をした現在も、素材の研究を続けています。大学時代から、新素材を新規デバイスへ応用するだけでなく、自分でデバイスを制御できれば、まだ世に出回っていない新しいコミュニケーションツールをいち早く、必要とする人に届けられるのではないか、とワクワクしていました。
それには、プログラミングの知識が必要だと考えていましたが、大学では化学を専攻しているため、なかなか始める機会がなく、自ら始めるにしても、どこから手をつけたらいいのか見当もつきませんでした。
そんな時に、LITALICOのインターンを見つけて、子どもたちと触れ合いながら楽しくプログラミングを学べることに魅力を感じました。
また、職場を見学した際、職員の方達がプログラミング経験の有無に関わらず、 自分のバックグラウンドに興味を示してくれ、0からの他分野への挑戦を肯定してくれたので始めてみようと思いました。
・結果よりも過程を大切にする考え方。
インターンを始めて子どもたちとものづくりをしていく中で、子どもたちが作り出す作品そのものよりも、その作品がどのような過程を踏んで、子どもたちがどんな風に試行錯誤したのかを重視するようになりました。
研究開発やチームマネージメント等、社会においても、失敗を振り返ることや、掲げた目標に向かって過程を見直すことは、突発的な良い結果よりも大切なことだと思いますが、その考え方を楽しく自然に身に付けられるのは、この職場の魅力だと思います。
・IT×ものづくりスキル。
もともとITには疎い方でしたが、インターンを始めて、子どもたちや職場の仲間とプログラミングや既存のガジェット・センサー等を用いたものづくりに挑戦することで、IT×ものづくりスキルが向上しました。今では、アイデアベースにIoTツールの開発が出来るようになりました。
子どもたちは固定概念に囚われず、自由な発想を展開してきてくれます。
LITALICOでは、その発想をもとにどんなものづくりができるか、インターン生が一緒に考えて実験をして、子どもたちと共に学んでいます。
そのため、時に作品づくりが90分の授業内で終わらないケースも多々・・・笑
ただ、そんな時でも、その日の取り組みをその場で振り返り、どう次回の作品につなげていくか子どもたちと一緒に考えます。
どんな挑戦も、失敗体験で終わらせず、失敗を前向きに捉えて、次の作品の糧に出来るバイタリティーが職場全体にあります。
また、ものづくりは、子どもたちとの間だけでなく、様々なバックグラウンドを持つインターン生やユニークな社員さんとの間でも活発に行われています。
職場の全員で、試行錯誤しながら進めるものづくりの楽しさ、人に作品を披露する楽しさ、作品の細部にまでこだわる楽しさ、そして自分が作った作品が誰かの役に立った時の達成感を共有しています。
この職場は、ITを使った「ものづくり」を本当に好きになれる環境なので、上記のスキルが身に付いたと考えています。
将来は、障害がある方の社会的自立に向けて、最先端技術を駆使した身体に障害がある方のコミュニケーションツールを作製する団体を作りたいと考えています。
今も個人的に支援器具の自作を行なっておりますが、完成度はまだまだ・・
これからも、職場の仲間と様々なものづくりに挑戦しながら、自分の視野やスキル感をより高めて、将来の夢に向かって「楽しく」突き進んでいきたいと思っています!
株式会社LITALICOワンダー事業部でインターンを行なっている。専攻は化学系だが、将来の夢に向けて、インターン先で情報系の勉強を始めた。今は、複合分野で活躍出来る人材を目指して、ITと化学を駆使したものづくりにチャレンジしている。