キャリアバイトコラム - インターン・インターンシップ情報キャリアバイト

就職活動

大企業とベンチャーのリアルな違いは? 人事目線で見たメリット・デメリット

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
大企業とベンチャーのリアルな違いは? 人事目線で見たメリット・デメリット こんにちは!
連載コラムを執筆させていただくことになりましたキャリアアドバイザーの井上真里です。
毎年200名以上の大学生を、大手企業や人気ベンチャー企業に複数内定させている、これまでの経験を基に、就職活動に関する情報をお伝えできればと思います!
今回は「大企業とベンチャー企業の違い」についてです。

大企業とベンチャー企業どちらが幸せ?揺れる就活生

あなたは大企業とベンチャー企業、どちらが自分に合っていると思いますか?

毎年、就職ナビサイトが就職活動生に調査している人気企業ランキングがあります。年代によってゆるやかに変わっていく人気業界・企業に毎年注目が集まりますが、ランキング上位にはやはり知名度の高い大企業の名前がずらっと並んでいます。
マイナビによる2016年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生に調査した企業人気ランキングの結果は以下の通りです。

■文系総合ランキング(上位10位)
順位 企業名 得票 前年順位
1 JTBグループ 909 1
2 エイチ・アイ・エス(H.I.S.) 808 3
3 ANA(全日本空輸) 758 2
4 JAL(日本航空) 577 4
5 三菱東京UFJ銀行 534 7
6 電通 485 5
7 三井住友銀行 459 14
8 みずほフィナンシャルグループ 442 18
9 博報堂
博報堂DYメディアパートナーズ
434 6
10 東京海上日動火災保険 416 9

■理系総合ランキング(上位10位)
順位 企業名 得票 前年順位
1 トヨタ自動車 302 2
2 味の素 267 3
3 カゴメ 235 1
4 明治グループ
(明治・Meiji Seikaファルマ)
235 5
5 資生堂 219 9
6 JR東日本(東日本旅客鉄道) 204 4
7 サントリーホールディングス 200 15
8 キリン 188 24
9 三菱電機 187 18
10 日立製作所 186 13

しかし一方で、ベンチャー企業と言われる企業でも一部の就職活動生にカリスマ的な人気を誇っている企業もあります。2010年代からはソーシャルメディアの広がりと共にソーシャルリクルーティングという言葉も聞かれるようになり、これまでのように就職サイトに数十万円~数百万円の広告費を払わなくてもブログやFacebook、Twitterなどで採用募集ができるようになった環境は、ベンチャー企業の採用活動にもぐんと追い風になっています。その企業にユニークさや、共感される社会貢献性、ストーリーといった要素があれば、就職活動生がどんどんリアルな口コミやインターネット上でシェアをしてくれる時代です。

また、IT産業の盛り上がりにより資金力がなくてもパソコン1台、自宅でまたはコワーキングスペースで新しいインターネットビジネスを立ち上げ、市場に広く流通できるようになりました。今やデジタルネイティブの学生起業家も珍しくなくなり、ベンチャーキャピタルに加えてクラウドファンディングという新しい資金調達の形まで成長してきた時代です。結果的に、少人数で急成長し、上場または事業売却をして成長ステージをダッシュで駆け上がっている企業のニュースもよく耳にします。

かつてのように大企業に入社すれば終身雇用が当たり前で、役員への昇進ルートから外れたても、グループ会社へ天下りするか多額の退職金を手にして一抜けた!というかつての常識はとっくに崩壊しています。この新しい時代に、自分の幸せは大企業とベンチャー企業どちらに入社することだろう?という悩みを持つのは自然なことでしょう。また、親は大企業に入社することを期待しているけれど、自分はベンチャー企業に魅かれているが、イマイチ自分の判断に自信を持ちきれないという葛藤を抱える人もいます。

大企業・ベンチャー企業の傾向や特徴は確かにある

もちろん、大企業というのは全て○○、ベンチャー企業は全て○○、とハッキリと特徴を分けられるわけではありません。だから最終的には1社1社を理解して自分の価値観に照らし合わせていくしかありません。しかし、組織の大きさや歴史によってやはり大まかな特徴の違いがあるのは事実です。ではそれがどの程度理解できるかというと、あまり企業という組織で働いた経験がない就職活動生には想像が難しいだろうなと思います。また、未知な世界だからこそ誤解されていることもあります。

私は、学生時代から今まで縁あって学生時代には数十名の企業で週4日以上のインターンをし、また社会人になってからは250名規模の中小・ベンチャー企業、そして1万名規模の大企業で働きましたが、企業によって職場環境がまったく違うことを肌で実感してきました。私が働いた企業は、それぞれ業種も異なっていたのでそもそもの事業内容や企業文化によって生まれていた違いもあると思います。しかしそれだけではなく、周りの先輩方や友人との話も踏まえながら「これは大企業・ベンチャー企業あるあるの、代表的な特徴なんだな」という所も、理解し実感してきたつもりです。

そこで、今回は私の実体験や他の企業で働く人たちから聞いた話を基に、1社目の就職先として大企業とベンチャー企業を選ぶメリットとデメリットについてお伝えします。また、よくある大企業とベンチャー企業の誤解についても触れたいと思います。

そもそも大企業・ベンチャー企業とは?

まずは、大企業とベンチャー企業、そして定義があいまいになりがちな中小企業の定義を理解しておきましょう。

■大企業と中小企業とは

日本では、中小企業の基準が以下のように業種によって定められています。

中小企業
・製造業:資本金3億円以下または従業者数300人以下
・卸売業:資本金1億円以下または従業者数100人以下
・小売業:資本金5千万円以下または従業者数50人以下
・サービス業:資本金5千万円以下または従業者数100人以下


つまり、この基準にあてはまるものが中小企業で、この以上のものは大企業ということになります。ちなみに、日本における中小企業数は約150.8万社で、全企業数の99.2%の割合を占めています。(総務庁「事業所・企業統計調査」調査)つまり、日本企業のほとんどは中小企業であるということですね。

■ベンチャー企業とは

ちなみに、ベンチャー企業の語源になったベンチャービジネスという言葉は和製英語です。実は、ベンチャー企業には、大企業や中小企業のようなはっきりとした基準や定義はありません。一般的には、以下のような定義になります。

ベンチャー企業
・革新的なアイデアや新しい技術で新しいサービスを提供している
・中小規模で成長過程にある


しかし、就職活動では、革新的なアイデアや新しい技術が活用された商品やサービスを提供する企業でなくても「私たちはベンチャー企業です」と名乗ることが多いのも事実です。実際に大手企業でもできる、行っているサービスを、より対象を限定して小規模に提供しているようなビジネスは、ベンチャー企業ではなくスモールビジネス(≒中小企業)という方が適切でしょう。しかし、おそらく「私たちは中小企業です」というよりも「ベンチャー企業」を名乗るほうが就職活動生ウケがよさそうと考えるのかもしれません。

今回は、一般的なベンチャー企業の定義に近く、独自の新しいサービスを提供していて、成長過程にある中小規模の企業として話を進めたいと思います。

■(おまけ)最近よく聞く言葉:メガベンチャーとスタートアップとは

また更に就活生を混乱させるのは、メガベンチャーやスタートアップといった言葉です。
メガベンチャーとはギリシャ語で「巨大」という意味を表すメガという言葉がついている通り、「世界に大きなインパクトを与えながら10年程度で数百億から数千億規模に成長するベンチャー企業」のことを意味しています。世界ではApple、Google、Microsoft、Dell Computer、Amazon.com、Facebookといった企業が代表格です。日本国内では、DeNAやグリー、サイバーエージェントなどがその代表として挙げられています。ですから、ベンチャー企業の定義から、中小規模の企業という要素が除外される可能性があるものということになるでしょう。

またスタートアップは、元々アメリカでの位置づけでは「社会に価値を提供する新しいビジネスモデルを開発して短期間で急成長して、エグジット(投資ファンドによる投資資金回収の戦略として、短期間での株式公開やM&Aによる事業売却を行うこと)を目標としたチーム」といった意味をもつようです。長期的な成長を目指すことを目的とするベンチャー企業と比較すると、短期間で資金調達をしてビジネスを立ち上げ成長させて、その投資資金を回収・利益を得ること目指すという目的に違いがあります。また、スタートアップは組織構成にも特徴があります。管理や教育を行う組織というより、各々のメンバーが即戦力として事業を推進するフラットなチームとして存在します。しかし、やはり採用活動ではその境界線はあいまいで、ベンチャー企業とスタートアップが明確な区別なく使われています。

ここまでの定義を元に図にすると、およそ以下のようになります。

1444902353-91hMteOK0X

大企業とベンチャー企業の違い

ここまでの定義をベースにすると、大企業とベンチャー企業は以下のような違いが出てきます。

・組織または売上としての規模の大きさ(大企業ほど、社員数が多く規模大きい)
・上に加え、歴史の長さとそれに伴う知名度(大企業ほど、歴史が長く知られている)


この2つの違いによってうまれるそれぞれの傾向について見ていきましょう。

■大企業のメリット

大企業のメリットには次のようなことが挙げられます。

1. 数千万円~数十億のプロジェクトに携われる機会が多い
ビジネスの規模が大きいので、ひとつのプロジェクトで動く金額も億単位になることがあります。ベンチャー企業でそのような仕事がないわけではありませんが、平均的なプロジェクトの規模が大きいのは、大企業の傾向でしょう。社内外の人達と役割を分担して進めていくので、1人で任されるわけではありませんが、事業によって1年目でも月数千万円の個人売り上げ目標をもっていることもあります。

2. 過去のノウハウや成功パターンが確立している
事業の歴史が長いので、これまでの運営ノウハウや考え方のフレームワーク、成功事例が蓄積されています。どうすれば上手くいくのかというヒントや、考え方の枠組みが整理されているということです。

3. 教育体系が整っている
2と近い内容ですが、新人をどのように教育していくかという教育ステップやカリキュラムも既に整っています。また、大企業であれば毎年受け入れる新入社員数も多いので、一斉に効率よく教育できるようなEラーニングや新卒研修の仕組みにも投資をしやすくなります。

4. 部署の異動で環境が変えられる
事業や部署の受け入れ先が幅広くあるので、はじめに配属された部署で成果をあげられなくても、違う部署に異動できたことで、才能が花開く人もいます。また、2~3年担当した仕事が飽きたころに部署が変更になることで、社内転職をしたような新しい気持ちでまた仕事に取り組めるという声も聞きます。

5. 取引先や世間からの社会的信頼がある
自分が新人だったとしても、これまでの先輩の築いてくれた営業ネットワークや知名度といった企業の信頼感を借りて仕事ができます。また転職や独立するときの経歴としても、信頼感が増すということもあるでしょう。私も独立をしてから、出身企業のおかげで初対面の取引先に一定の信頼感を与えることができたと感じたことはあります。

■大企業のデメリット

逆に、大企業のデメリットとなる可能性が高いことについても挙げてみましょう。

1. 社内の調整業務に時間がかかる
一つの仕事の規模が大きい分、それだけ意思決定に利害関係のある人達、更にそれを管理する人達すべての承認が必要になるので、とにかく決定に時間がかかります。書類にひたすらハンコをもらいに回る、オンライン上の確認でも今誰まで承認してもらっているのかを画面で追い続ける…といったようなことはよくあります。また、会議の前に社内のキーパーソンに承認を取っておくように根回しするとか、相手の部署からは部長が出席するからこちらの部署からも部長に出席してもらえるようにお願いするといった社内政治もうまくこなす必要がでてきます。私も会社員当時は、社内の会議で検討するためだけの資料づくりに時間をかけることに、すっかりマヒしていました。

2. 細かいところまでルールが決まっている
人数が多いということは、価値観や常識の違う一人一人が自分のものさしで自由にふるまっていては混乱したり、損をする人が出てきたりすることがあります。また、企業が与える社会的なインパクトや資産が大きいので小さな不正が大きな損害につながることもありますので、必然的にルールは厳しく細かくなります。私が勤めた企業では就業規則は数十ページにわたり、フロアによって異なる会議室の使用ルールがあり、服装の規定などがひとつひとつしっかり決まっていました。

3. 自分の影響力を実感しにくい
大企業は、個人での独立した営業スタイルの仕事を除いては、チームで仕事をすることが多くなります。ひとつの仕事についてもチームで役割を分担して進めていきます。そのため、成功した仕事は自分が手掛けたというよりも、自分たちが手掛けたという感覚になります。逆に、チームで成功を喜べるのはメリットとも言えます。

4. 管理職になるまでにある程度の年数が必要
社員が多く、先輩もたくさんいますのでどうしても管理職などの上位ポジションはやはり実力があっても順番待ちになります。たとえば30代前半くらいの世代でみると、あるベンチャー企業では経営者が多くても、大企業では最速で昇進している人でも課長職ということもあります。

■ベンチャー企業のメリット

続いて、ベンチャー企業のメリットには次のようなことが挙げられます。

1. 意思決定がスピーディー
社員数が少ない分、役職がフラットなので意思決定がスピーディーに進みやすいです。このスピード感が当たり前だと思っていると、取引先の大企業でなかなか話が進まない状況が理解できないかもしれません。

2. 実力次第で、昇給・昇格しやすい
昇給、昇格の基準や条件もゆるやかだったり体系だっていない場合、その人自身の成果や役員からの期待値によって、どんどん昇給したり、社歴が浅くても管理職やプロジェクトの責任者となるポジションに大抜擢されたりということも起こりやすいです。大企業だと、決まった昇給基準や他のメンバーとの不公平感が出ないように実力があっても昇給や昇格のタイミングが遅れることはあります。そのあたりが、ベンチャー企業は比較的身軽です。数十名規模のメディア企業で新卒2年目で海外支社の立ち上げを任された人や、100名規模のWeb制作会社で難易度の高いクライアントを担当していたとき毎月昇給していた新人時代を送ったという人の話もあります。

3. 業務範囲の幅が広い
特に成長途中の段階では増えている仕事のボリュームの割に社員数が少ないのがベンチャー企業。細かく業務プロセスを役割分担をするよりも、自分が担当するプロジェクトは自分で「まわす」という感覚で企画提案から受注、プロジェクト管理から納品まですべて行うというスタイルが増えます。私は人事1年目から、新卒採用業務はすべてのプロセスに関わって、事務作業から選考での学生応対まで対応していました。自分が何もかも首を突っ込みたい、把握しておきたいタイプはイキイキします。

4. 仕事の進め方や企画に自由度が高くアイデアが活かせる
3のようなスタイルで自分のプロジェクトを担当するので、自分で考えてひとつひとつのものごとを推進しながら、随時上司と確認をとるような自由度の高い進め方になります。経験が少ない中で次々あらわれる正解のない課題に対応するという追い込まれた環境の中で、思考力が磨かれます。

5. 経営者との距離が近く組織に一体感を持ちやすい
地方各地に支社や支店があるような大企業に比較して、本社の同じフロアに役員も含めて在籍しているので、経営者との距離も近くなります。社員全員でのイベントを定期的にしている企業も多いので、企業の方向性や経営者の考えが直接伝わりやすく、組織に一体感がもちやすくなります。その分、社員としても目の前の仕事だけでなく経営者の価値観や理念への共感が求められます。

■ベンチャー企業のデメリット

反対に、ベンチャー企業のデメリットは次のようなことです。

1. ノウハウや経験が人に依存して自己流になりやすい
仕事の進め方や企画に自由度が多い分、自己流になりがちです。教育体系も、先輩のやり方を後輩に教えるという形になりやすいので、先輩によって進め方や伝える内容が変わることもよくあります。受け身ではなく自分からもどんどん質問して、先輩から指導を引き出していくことも大切です。

2. 知名度で営業できない
大企業と比較して企業の知名度が低いので、自分そのものや提案の質・結果で信頼を勝ち取っていかなければいけません。これは営業だけでなく人事として企業を知ってもらう時も同じです。知名度が高いプレッシャーもありますが、やはり大企業で社会的な信頼や知名度があるというのは財産です。経営者の大企業時代のネットワークやリソースを使うところからスタートしているベンチャー企業も多数あります。

3. 大規模なビジネスを発想しにくい
ベンチャー企業の急拡大を支えた人が、「限られた社員数や資本でビジネスを展開してきたので、数千万~数億までのビジネスはできても、数百億のビジネスをつくるイメージがわかない」話していました。コンサルティング企業出身者が起業したり、経営陣に参画することが多いですが、やはり大企業のクライアントのビジネスの拡大パターンを理解していると収益の上げ方を発想しやすいということはあるように思います。

4. 経営者の価値観とマッチしないと居心地が悪くなる
良くも悪くも社員数が少ない分、経営者の考えや意見で企業の進む方向が決まります。急に大きく方針や事業内容が変わることもあるでしょう。目先で行っている事業内容ではなく、経営者のそもそもの考え方や人柄に共感できるかという視点でみていかないと、大きな変更にひとつひとつストレスを感じることになりかねません。経営者に違和感があるまま入社すると長く続けていくのは大変でしょう。

このような特徴から考えると、大企業、ベンチャー企業と相性の良く幸せを感じやすいと思われる人は次の通りです。

■大企業で幸せを感じやすい人

・たくさんの人と関わってチームで大きな仕事を進めていきたい
・ルールが決まっているほうが落ち着く
・環境が変化することはあまり好きではない
・上下関係の厳しい組織でも、うまく立ち回れる
・社会的影響力の大きいビジネスに関わりたい

■ベンチャー企業で幸せを感じやすい人

・なんでも自分が把握していたいし、やりたいと思う
・環境が変化することに抵抗がない
・ルールが厳しいときゅうくつに感じる
・自分が手掛けた仕事の成果が評価に反映されると嬉しい
・経営者と距離が近い環境で働きたい

ここまで読んでみて、あなたはどちらでいきいきと働くイメージを持ったでしょうか?参考にしてみてください。

大企業とベンチャー企業にまつわるよくある誤解

続いて、大企業とベンチャー企業にまつわるよくある誤解について説明します。

誤解1:ベンチャー企業は成長が早い?

任される仕事の範囲が広いから成長が早いというイメージのベンチャー企業です。しかし、自己流で学んだり、どんな上司がつくかによって教わることが変わるので、人によっては効率の悪いインプットをしていることもあります。大企業の方が、既に形になっている教育体系や洗練されたやり方をインプットできるということはあるでしょう。

ベンチャー企業に入ったからといって、成長できるのではありません。与えられた仕事についてただやみくもにこなしているのでは、どんどん視野が狭く自己流が固まってしまうことにもなりかねません。今あるやり方をもっと効率よく効果があがるようにできないか?と意識的に改善し続け、アドバイスを求め、必要に応じて外部で勉強できる環境を活用していかなければ井の中の蛙になってしまう危うさがあります。

誤解2:大企業の方が福利厚生は充実している?

日本の歴史ある大企業は、長期雇用が前提で、住宅手当や退職金などが充実している企業が多いので福利厚生が充実しているというイメージが強くあります。仕事の成果や役職に対する待遇だけではなく、家族が増えると子供の人数に応じて手当がでるといった家族手当なども大企業でよくあります。住宅の自己負担が1万円を切るという企業もあり、確かにそういった福利厚生の充実はさすが大企業というとこもあります。

ただ、ベンチャー企業も、社員のアイデアでユニークな福利厚生や制度が導入されている企業もあります。バースデー休暇、書籍購入費用、5年勤続ごとの長期休暇取得、社内のバー、リラックスルームなど趣味やリフレッシュのための制度や施設はよく話題になっています。またITベンチャー企業などが多数加盟する関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)は、年齢の若い加入者が多いこともあるのか、保養所やテーマパーク、飲食店での割引など充実した福利厚生で有名です。

更に、ベンチャー企業は決まっているルールが少ない分、個別の事情によって柔軟な働き方が選びやすくなることもあります。残業が少ない部署への異動や、時短勤務、自宅勤務など、いろいろな選択肢を、柔軟にスピーディーに検討するのはベンチャー企業の方が得意でしょう。大企業でもベンチャー企業でも、整った福利厚生を求めるより、自分の成果で働きやすい環境を獲得していくという姿勢が大切ではないでしょうか。

誤解3:ベンチャー企業から大企業に転職はしにくい?

ベンチャー企業に入ると後で大企業に行きたいと思っても転職しにくいですよね?と聞かれることがあります。しかし、私は、大企業からベンチャー、ベンチャーから大企業、どちらの転職も実際に多数の転職例を見ていますので、問題なく可能と考えます。

パターン1 大企業→ベンチャー企業
第二新卒としての転職をする人もいますが、5年~10年程度活躍したあと大企業の仕事で培ったノウハウや取引先のネットワークを活用するという形での転職がこれまでのキャリアを活かしやすいです。事業責任者、管理職としてベンチャー企業に迎え入れられることもよくあります。

パターン2 ベンチャー企業→大企業
入社2〜4年など早い段階で大企業に第二新卒として入社しやすくなります。やってきた業務の幅が広く基本的な知識があるので、どの部署にいれても育てやすいという評価をされます。ただし、ずっとベンチャー企業の仕事の進め方やプロジェクト規模しか経験がないまま年数が経っていると、大企業の環境ではスキルが活かしにくいのではと懸念されることもあります。

ちなみに、私は24歳で後者の転職を経験しています。人事として規模は小さいものの採用業務を全て経験したり自分で企画まで担当していたことなどが評価され、大企業に若手の人事メンバーとして複数内定しました。大企業に入社後の実感として感じたことは「もっとベンチャー企業で働き続けていたら、適応するために今より我慢と努力”が”必要だっただろうな」ということ。ベンチャー企業の仕事の進め方にすっかり慣れてしまった上で、大企業に転職するのはかなりの柔軟性が必要だと感じました。それだけ社内のルールや社内の調整スピード、仕事の進め方が違うので、ある程度社会人経験を重ねた後に企業規模の違う企業に転職する時は適応力が求められるでしょう。

大企業かベンチャー企業かで迷っているなら、納得のいくまで企業や人に会って話を聞いてみるのがおすすめです。また1社1社によって個別の事情は違うので、大枠の特徴を参考に頭においた上で固定観念に縛られずに理解を深めていきましょう。変化が大きく予想ができないことが日々起こる時代の中で、絶対の正解はありません。自分が幸せにいきいきと働くことが期待できるような職場を選んでください。
井上 真里

キャリアアドバイザー。石川県金沢市生まれ。慶応義塾大学経済学部在学中より、人材教育企業にて学生キャリア支援のサポートに関わり、卒業後は東証一部上場の富裕層向け住宅メーカー・IT企業にて中途・新卒社員採用をはじめ、教育研修、異動や退職など学生のキャリア選択から、社会人のキャリアに関する領域を幅広く経験。新入社員マナー研修講師としても高い支持を受ける。現在は全国の高校生や大学生を対象に面接トレーニング、キャリア、マナー分野でのマンツーマン指導やセミナーを多数開催。毎年マンツーマン指導や勉強会に参加した200名以上の大学生が、大手企業・人気ベンチャー企業に複数内定している。

◎就活女子応援☆今日からできる面接対策!
http://ameblo.jp/mensetsucafe/
◎就活のキャリアデザインスクール「就活モード」
http://www.syukatsu-mode.jp/
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するおすすめ記事

就活前に知っておきたい!現在の日本の状況や企業の採用状況に関するデータまとめ
就職活動

就活前に知っておきたい!現在の日本の状況や企業の採用状況に関する...

トップ営業マンを目指したい学生が読んでおくべきオススメ書籍5選!
書籍、本

トップ営業マンを目指したい学生が読んでおくべきオススメ書籍5選!

住みたい街NO.1!吉祥寺のおすすめ雑貨屋まとめ
オススメ

住みたい街NO.1!吉祥寺のおすすめ雑貨屋まとめ

つまらない恋愛はしたくない大学生が読むべき「ちょっとセクシーな本」 3選
恋愛

つまらない恋愛はしたくない大学生が読むべき「ちょっとセクシーな本...

インターンは就活に有利? インターン経験者が語る就活に有効なインターンの活用方法
経験、体験

インターンは就活に有利? インターン経験者が語る就活に有効なイン...

【女子大生必見】無料で誕生日サプライズが出来る!渋谷カフェまとめ
オススメ

【女子大生必見】無料で誕生日サプライズが出来る!渋谷カフェまとめ