インターン未経験の僕が、土屋鞄製造所の仕事で学んだこと
インタビュー
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インターン未経験の僕が、土屋鞄製造所の仕事で学んだこと

株式会社土屋鞄製造所|インターン生 大崎 遼輔

ランドセルや鞄など革製品を製造・販売する老舗企業、土屋鞄製造所。「弟や妹がランドセルを使っている」「自分も革製品を使っている」という方もいるかもしれませんね。そんな同社では、「日本のものづくり企業を志望する若者を育てたい」という想いから、2022年3月より有給の長期インターンシップ(就業体験)をスタートしています。

 

◎募集職種は40種以上

◎学年は不問で、期間は最長4年間

◎受け入れ人数は従業員の約6分の1にあたる100人

 

…など自由度の高いプログラム設計で、学生一人ひとりに合った就労体験を積んでもらうのが同社の狙い。その実施規模の大きさもあって、かなりの注目が集まっているようです。

 

そんな同社の長期インターンを通じて、参加学生たちはどんな学びを得ているのでしょうか。活躍中のインターン生に取材を行い、具体的な業務内容や得られた学びを聞いてきました。

 

<プロフィール>
■インターン生|大崎 遼輔(おおさき りょうすけ)
大阪大学 外国語学部 英語専攻 4年生。言語学の領域で、英語の文法や語彙について研究するゼミに所属している。アルバイト歴は塾講師。それ以外の活動では、就活支援団体に所属してメンターを行ったりしている。趣味は幅広く、フットサルなど身体を動かすのが好きな他、時間があれば一人で歌いに行くほどのカラオケ好き。土屋鞄製造所が初めての長期インターンで、2022年6月時点では大阪にある童具店で販売業務を担当している。

社会に出る前に、ビジネスの現場を知りたかった

―――まずは、長期インターンを始めることになった経緯からお伺いしていきます。なぜ土屋鞄製造所の長期インターンに参加してみようと思ったのでしょうか?

 

土屋鞄製造所で長期インターンを始めたのは、1通のメールがきっかけなんです。

 

長期インターンの存在自体は、就活を始める前から知っていました。周りでも長期インターンをやっている人はいましたから。ただ、僕自身は塾講師のアルバイトをしていたこともあり、長期インターンをやってみようとは考えていなかったんです。

 

それから就活をスタートし、いろいろ選考を受けていった企業の中の一社が土屋鞄製造所だったのですが…。当時はあまり志望度が高くなかったこともあり、あっけなく選考で落ちてしまっていたんです。もっと会社のことを調べておくべきだったなと考えもしましたが、その後は気持ちを切り替えて就活を進めていました。

 

そんなとき、土屋鞄製造所の人事の方からメールを受け取ったんです。

 

 

―――どんな内容のメールだったんでしょう?

 

 

そのメールが、「2022年から土屋鞄製造所で長期インターンを実施するので、あなたも参加しませんか?」という案内だったんです。以前の僕なら長期インターンに応募しようと思わなかったのに、そのときはなぜか気になってしまって。大学に入ってから、あまりビジネスに触れる機会がなかった。せっかく案内をもらったし、いろいろなことに挑戦できる機会があるのは面白いんじゃないか。こうしたことを考えた結果、土屋鞄製造所の長期インターンに応募することを決めたんですよ。
 

 

―――当時は就活中だったとのことですが、両立に不安はありませんでしたか?


 

はい。特に不安はありませんでした。就活と並行しながらのチャレンジでしたが、ある程度ゴールは見えていたので大丈夫だろうと。それ以上に、社会に出る前にビジネスの現場をリアルに経験できることに魅力を感じたんですよ。


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責任感が求められる仕事だからこそ、成長できた

―――ここからは、長期インターンをスタートしてからのお話を伺っていきます。開始後は、どういった業務を担当することになったのでしょうか。
 


勤務開始後は、大阪にある童具店で販売業務を行うことになりました。童具店とは土屋鞄のランドセルの全ラインナップを扱っている店舗のことで、お子様がランドセルを試着するのをサポートしたり、保護者に説明をしたりする役割を担当しています。

 

加えて、今後店舗で働くインターン生向け、つまり後輩のインターン生向けに販売マニュアルを企画・制作するプロジェクトも担当しています。インターン生数名でチームを組んでいるのですが、僕はそのリーダーとしてプロジェクトをまとめています。

 

 

―――実際に勤務を開始してみての感想はいかがでしょうか?

 


塾講師のアルバイト経験はあったものの、店舗で働く接客の仕事は初めて。塾講師は座りながらの仕事でしたが、店舗ではずっと立ちっぱなしなので、最初は体力的に大変でしたね。知らない人と話すため、最初は緊張したのを覚えています。

 

一方で良かったことは、思った以上に自由に動けるというか、インターン生に大きな裁量を委ねてくれることです。特に販売マニュアルを制作するプロジェクトでは、社員の方から細かく指示されることはありませんでした。いつまでに完成させてほしいという期限が示されるだけで、あとは自分たちの自由。プロジェクトチームのインターン生で集まり、どう進めていくか、どんなマニュアルをつくっていくかを話し合いながら進めていきました。このように自由度高く進められるのは楽しかったですね。

 

 

―――厳しさと楽しさ、その両方を感じながら仕事に慣れていったのが分かります。そんな日々の中で、思い出に残っている瞬間はどんなときでしょうか。
 

 

店舗での接客では、日々多くのお客様と接することになります。接客で嬉しかったエピソードはたくさんありますが、その中で一つをあげたいと思います。

 

長期インターンを始めて1ヶ月半くらいのとき、一人のお母様が来店されたんですね。僕も接客の仕事に慣れてきた頃だったので、自分一人でそのお客様を対応したところ、たくさんの質問をいただいて。ランドセルの素材や構造の話から、修理に関する話まで、1時間くらいお話ししたんですが、何とかすべての質問に答えることができたんです。お客様からも「あなたのおかげで、土屋鞄に対する印象がグッと良くなりました」と言っていただき、とても嬉しい気持ちになったのを覚えています。

 

実はインターンを始めて間もない頃、お客様からの質問に曖昧な返答をしてしまい、困らせてしまったことがあって。不安な気持ちにさせてしまったことで購入にも至らず、すごく悔しい想いをしたんです。他にも失敗を繰り返してきましたが、そのたびに自分で調べたり社員の方に質問したりしながら少しずつ知識を身につけてきました。そんな積み重ねによって成長できたんだと実感できたことも嬉しかった要因ですね。

 

 

―――逆に、仕事の厳しさを感じたのはどんな点でしょうか?

 

 

二点あります。一点目は、覚えなければいけないことが多いこと。ランドセルといっても数十種類以上があり、使われている革の素材や、どんなシリーズにどんなカラーがあるかも覚える必要があります。また、修理する際の補償についても完璧に把握しておかねばなりません。すべてを理解するまでは大変でしたね。

 

二点目は、インターンの学生だから、入社して間もないからといった言い訳ができないこと。ランドセルは、お子様にとって一生に一度の買い物であるなど、お客様からの期待が非常に大きな商品です。その期待にしっかり応えていくためにも、社員の方と変わらない責任感を持って日々の接客に臨まなければなりません。当たり前のことかもしれませんが、実際に売り場に立ってみてそのことを強く感じました。

 

 

―――学生とはいえ、お客様にとっては社員と同じ。強い責任感を持って日々の業務に臨むことが重要だと感じたわけですね。では大崎さんにとって、土屋鞄製造所の長期インターンを通じて自分が成長したと感じる点はどこでしょうか?
 

 

いろいろあるのですが、一番はヒアリング力が身についたことだと思います。

 

販売の仕事と聞くと、商品に関する知識をできるだけお客様に伝えることが大事だと考えますよね。しかし日々の業務を通じて、「お客様が何を一番必要としているのか?」「どういった点を重視しているのか」をヒアリングし、お客様が最も知りたいことに合わせて情報をお伝えすることが大事だと学びました。

 

例えばランドセルを購入されるお客様も、「もともとお姉さんが使っていて、来年小学生になる弟の分も購入したい」という方もいれば、「土屋鞄のことを最近知って、他社の商品と迷っている」という方もいらっしゃいます。それぞれに状況が違えば、お伝えする情報も変わってきますよね。だからこそお客様一組一組に寄り添い、ヒアリングを行い、納得のいくお買い物ができるようサポートしていくのが大事なんです。

 

もう一つ成長したと感じる点をあげるなら、人をまとめる力、人を動かす力が身についたということ。これはインターン生向けの販売マニュアルを作成するにあたり、リーダー役を任せてもらったのが大きかったです。プロジェクトの進め方も自由、インターン生が働いている場所や時間もバラバラという状況で、期限までにいかに良いものをつくりあげるか。ゼロからイチをつくりだすこと、またリーダーを務めた経験も今までなかったので、このプロジェクトに携わったことは大きな財産となりました。

 

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初期段階だからこそ、自由にのびのび取り組める

―――ここからは、学生のみなさんへのメッセージを伺っていきたいと思います。まず最初の質問ですが、長期インターンへの参加は、就活や将来のキャリアを考える上でどのように役立ってくると感じていますか?
 


長期インターンは、主体性を身につけるのに最適な場だと思います。指示されたことに取り組むだけでなく、自分で考えて行動していく。失敗することもありますが、どうすればうまくいくかを考え、再びチャレンジしていく。その繰り返しで主体性が身についていきますが、それを思う存分できるのが長期インターンだと思うんですよ。

 

 

―――そんな長期インターンの中でも、土屋鞄製造所の長期インターンを勧めるなら?

 

 

自由にのびのび取り組めるところだと思います。土屋鞄製造所の長期インターンは、2022年から本格的に始まったばかり。まだまだ初期段階で、これから制度や仕組みを整えていこうとしているんですね。そこに関わっていけることが面白いですし、自分自身もやっていて楽しいと感じました。それが一番の魅力ではないでしょうか。

 

 

―――また、土屋鞄製造所の長期インターンに向いている人はどんな人でしょう?

 

 

受け入れ職種も多いのでさまざまな人に向いていると思いますが、一つあげるなら遊び心を持っていること。良い感じに肩の力を抜いて取り組めるというか、何事も楽しもうという方に向いていると思います。これはインターン同士のコミュニティ内で交流する中で強く感じますね。人事の方もインターン生同士で話す機会をつくってくれたり、社員とインターン生をつなげる座談会を企画してくれたりと、みんなが仲良くなっていけるよういろいろとサポートしてくれているんですよ。

 

もう一つ付け加えるなら、主体的に行動できる方。先ほどもお話ししたようにまだまだ初期段階だからこそ、用意されているものが少なく、自分たちで考え、周囲を巻き込みながらつくっていく姿勢が求められるんです。そういったことができる方、これからできるようになりたいという方は、きっと貴重な経験ができると思っています。

 

 

―――最後に、学生生活を過ごすうえでのアドバイスをお願いします。

 


シンプルに、大学生活を心の底から楽しんでほしいです。コロナ禍の影響もあってできることに制限はあるかもしれませんが、アルバイトをする、友達と遊ぶ、旅行へ行く…などいろいろなことを経験しながら楽しんでほしいと思っています。

 

ただ楽しみにしても、なんとなく毎日を過ごすのではなく、例えば長期インターンや学生団体に参加してみるなど、自己成長できる機会を見つけて飛び込んでみてほしいです。そうすることで、大学卒業後のキャリアも変わってくるでしょう。

 

遊び心を持ちながら、学びのある大学生活を送ってほしいですね。

最後に

いかがだったでしょうか。人事の方からの1通のメールがきっかけで長期インターンを始めた大崎さんですが、日々成長を実感しながら充実の日々を送っていることが伝わってきました。大学卒業まで土屋鞄製造所の長期インターンを続ける予定で、2022年6月以降はインターンのコミュニティ運営に携わっているということです。「長期インターンって何だかハードルが高い」と感じている方も、一歩を踏み出してみることで新しい世界が広がるかもしれません。ぜひ、思いきってチャレンジしてみてくださいね。

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