あなたにも知ってほしい、ドイツ企業・ボッシュのリアル
インタビュー
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あなたにも知ってほしい、ドイツ企業・ボッシュのリアル

ボッシュ株式会社 人事部門 佐藤 礼菜、山本 修平

外資系企業と聞いて、みなさんはどんなイメージを抱くでしょうか?「留学や海外在住の経験があり、英語ペラペラじゃないとダメ?」「結果にシビア、人間関係もドライで長く働けない」…こうしたイメージから自分には関係ないと考えている人もいるかもしれません。

 

そんなあなたにこそ、ドイツ企業・ボッシュの存在を知ってほしいと思います。離職率1%台という働きやすさを誇っているほか、ボッシュにはあなたの知らない魅力がたくさんあるはず。今回は人事部門の佐藤さんと山本さんにインタビューを行い、ボッシュの事業内容、インターンシップの実施状況、学生のみなさんへのメッセージなどを伺ってきました。

 

<プロフィール> 佐藤 礼菜
2018年中途入社。大学卒業後は商社に入社し、経理業務や事業投資の管理業務に携わる。その中で人材マネジメントに興味を持ち、コンサルファームの組織・人事コンサルチームへ。数年ほど働く中で「一つの組織の成長に長く関わりたい」という気持ちが強くなり転職を決意。学生時代からの憧れだったグローバルな環境で働けること、またダイバーシティのある職場に惹かれて入社を決めた。人材開発企画やダイバーシティ推進などを経験した後、現在は新卒採用のマーケティング業務を担当している。

 

<プロフィール> 山本 修平

2016年新卒入社。祖父が金物店を経営していたことからボッシュの電動工具を知り、そこから興味を持って大学卒業後に入社した。営業を経て人事部門へと異動になり、現在はグローバルインターンシップやブランディングなど幅広い業務を担当している。

ボッシュって、何をしている会社?

―――『BOSCH(ボッシュ)』という社名を聞いたり、ブランドロゴを見かけたりしたことはあっても、「何をしている会社なのか?」を知らない学生の方も多いと思います。まず最初に、事業内容から伺ってもいいでしょうか。

 

 

佐藤

ボッシュは、「Invented for life」というコーポレートスローガンのもと、人と社会の役に立つテクノロジーを提供している会社です。60もの国々に現地法人を持ち、販売・サービス拠点も含めると150以上の国で事業を展開しています。

事業領域は、大きく分類すると4領域。主力事業であり多くの人にお馴染みなのが、最先端の自動車機器を生み出す「モビリティ ソリューションズ」。その他、各種機器製造やそのオートメーション化などを図る「産業機器テクノロジー」、セキュリティシステムやスマートホームシステムを構築する「エネルギー・ビルティングテクノロジー」、電動工具や家電を製造する「消費財」で構成されています。

 

BtoB(Business to Business、企業間取引)が多いことから、学生のみなさんにはあまり馴染みがないかもしれません。私自身、就職活動時にはボッシュのことを知りませんでしたから。しかし、自動車機器をはじめ各領域で業界をリードしています。

 

山本

学生のみなさんがボッシュを知るきっかけは、自動車関連で知っていただくケースが多くを占めていて、その他は電動工具で知っていただいたり、「グローバル企業で働きたい」という理由から知っていただいたりするケースが多いようです。


 

―――モビリティ ソリューションズの他、産業機器テクノロジー、エネルギー・ビルディングテクノロジー、消費財など幅広く事業を展開されているのですね。そんなボッシュで働く魅力としては、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

 

 

佐藤

エンジニアに関して言えば、「世界最先端の技術」に関われることが大きな魅力だと思います。例えばモビリティ ソリューションズの領域では、「Personalized(パーソナライズ化)」「Automated(自動化)」「Connected(ネットワーク化)」「Electrified(電動化)」の頭文字を取って「PACE」という言葉を掲げ、100年に一度の変革期と言われる自動車開発の領域で重要な役割を果たしています。

それ以外の領域でも、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット化)を組み合わせたAIoTのリーディングカンパニーになることを目指しています。具体的には、2025年までにすべての製品にAIを搭載すること、もしくは開発プロセスでAIを活用することが大きな目標です。このようにいずれの領域においても、世界最先端のものづくりに関われることは大きな魅力と言えるのではないでしょうか。

 

山本

こうした世の中の変化の中で、ボッシュで働く社員にもより多様性が求められるようになってきています。特に最近では、ハードウェアだけでなくソフトウェアの開発を担うエンジニアが活躍する部署も増えてきています。機械系の学生のみなさんには「ボッシュ」をよく知っていただいていますが、こうした変化を受けて、今後は情報系の学生のみなさんにも積極的にアピールしていきたいと考えています。

 

 

―――社名こそ聞く機会は少ないかもしれませんが、未来の社会をつくっていくために欠かせない役割を果たしていることが分かりました。その他、学生のみなさんに知ってほしいボッシュの魅力はどんなものがあるでしょうか。
 

 

佐藤

ボッシュで働く魅力は、他にもいろいろあります。

ひとつはダイバーシティが進んでいて、一人ひとりがユニークネスを保ったまま働けるカルチャーがあること。実際、ボッシュ株式会社にも30ヶ国以上の外国籍社員が勤務しており、言語や慣習の異なる社員同士が一緒に働いていて、社歴や年齢、性別を気にすることはありません。私自身も中途入社ですが、社歴が浅いから、女性だからといったことは気にせず、堂々と自分の意見を発信できています。

グローバル企業ということでさまざまなバックグラウンドを持った人たちが活躍していますので、自分らしくのびのび働けるのではないでしょうか。

 

山本

離職率1%台という働きやすさもボッシュの大きな魅力だと思います。

 

たとえば、育児関連制度では育児休業期間中には育児支援手当の支給がありますし、小学6年生になるまでは時短勤務も可能です。さらに働き方の多様化を推進するため、コロナパンデミックとなってしまう前から在宅勤務制度を導入していました。これは、育児や介護といった特別な理由がなくても、月合計40時間の在宅勤務ができるというもので、2020年には上限を月間所定労働時間の50%にまで引き上げました(現在はコロナ渦でもあるため、100%在宅勤務可能等、感染状況に応じたフレキシブルな対応をしています)。こうした取り組みが、離職率1%台という結果に現れているのでしょう。

働き方の自由度は日々の過ごし方にも現れています。例えば子どもの送り迎えをスケジュールに組み込んでいたり、役員が「会議の後、ペットの犬を迎えに行く予定があるんだ」と会議中に話すこともあるくらいです。

 

佐藤

こうした働き方を推進しているからか、理系の女性が当たり前に活躍していることもボッシュの特徴です。メーカー業界といえば理系の男性が多い印象があるかもしれませんが、ボッシュは違います。ロールモデルになるような先輩もたくさんいると思いますので、男女問わずより多くの学生の方に興味を持ってほしいですね。

 

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ボッシュは、なぜインターンに力を入れているのか?

―――ここからは、インターンシップについてお伺いしていきます。まずは、インターンシップの実施状況や導入目的から教えていただけますでしょうか。
 

 

佐藤

ボッシュでは現在、3種類のインターンシップを実施しています。

 

1つ目が、約2週間のグローバルインターンシップ。チームでミッションに取り組み、(コロナ前は)ボッシュの海外拠点で経験を積めるのが特徴です。ベトナムやタイなど海外拠点の社員もメンターとなり、参加者の成長に貢献しています。

 

2つ目が、1ヶ月~2ヶ月のシーズナルインターンシップ。主に夏季休暇などの長期休暇中に参加してもらうもので、実務を経験しながらグローバルな職場環境を体験していただき、ボッシュという会社をより深く理解してもらうものとなっています。

 

3つ目が、3ヶ月~1年のスタンダードインターンシップ。他の2つよりも長期にわたり勤務することで、ボッシュという会社を理解するのはもちろん、具体的な経験を通じて社会で働くためのスキルや専門知識を身につけられるのが特徴です。

 

山本

いずれも導入目的は、学生のうちから実務を経験し、社会に出たときに役立ててほしいというものです。本社があるドイツをはじめ、ヨーロッパの国々では、学生が大学在籍中に企業の長期インターンシップに参加するのが普通のことなんですね。もちろん単位にも認定されます。こうした海外でのノウハウを参考にしながら、日本では3種類のインターンシップという独自のプログラムを実施しているんですよ。

 

 

―――期間や内容に応じて3種類ものインターンシップを実行しているのはすごいですね。なぜ、ここまでインターンシップに力を入れているのでしょう。

 

 

佐藤

学生のみなさんに対し「挑戦の機会をつくりたい」「成長に貢献したい」という想いがあるからです。さらに一定期間以上のインターンシップは、本当の意味で「仕事ってどういうものだろう」を体験してもらう良い機会だと捉えているからです。

会社のことを知ってもらう際、期間が短くなればなるほど良いところばかりを見せようとしてしまいますよね。しかし一定期間、実際に働いてみると良いところも悪いところも自然と見えてきます。「想像以上にここは厳しいな」と感じることもあれば、「学生の自分でも意外とできることがあるな」と気づくこともあるでしょう。どれだけ大学で頑張っていても、社会に出ないと気づかないこともいろいろあるものです。こうしたギャップを体感してもらうことが非常に重要だと考えています。

 

山本

だからボッシュのインターンシップでは、どのコースでも実務を経験してもらうようにしています。インターンシップ用のプログラムではなく、現場の社員と交流しながら、実際の仕事を経験してもらう。グローバルやシーズナルでは年間数十名、スタンダードでは年間200名近い学生を受け入れていますが、すべての人に現場へ入ってもらい、リアルな「働く」を経験してもらうようにしているんですよ。

 

 

―――では、ボッシュのインターンシップに参加する魅力とは何でしょう?

 

 

佐藤

学生だからと特別扱いはしませんので、「働く」のリアルを経験できることが一番の魅力だと思います。就活の前後で参加することで、入社後のミスマッチも防げるのではないでしょうか。実際に参加した学生からも、「ここまで実務を任せてもらえるとは思わなかった」とポジティブな驚きの声をもらえています。

 

山本

それに加えて、ボッシュで働く人たちの人間関係、働きやすさ、多様性などを肌で感じられることも大きな魅力だと思います。例えば配属先の上司がドイツ人だったり、インドやベトナムで働く社員と協力して進めることもあるでしょう。有給休暇を100%取得する、サービス残業をしないといった働きやすさも、どう運用しているかを見ることで納得度が高まるはずです。他にも社員同士や経営陣との距離の近さなど、実際の職場で働くことで見えてくることがたくさんありますから。

 

佐藤

BtoB向けのビジネスは話を聞いているだけではイメージしにくいこともありますし、グローバル企業ならではの多様性も体感することで分かることがあると思います。すこしでも興味を持った方は、どのコースでも良いのでぜひエントリーしてほしいです。インターンシップへの参加は採用選考には関係ありませんが、参加することで「ボッシュで働いてみたい」という意志が高まったら私たちも嬉しいです。

 

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自分の人生の運転席にいるのは、自分

―――会社への理解が深まってきた中で、ボッシュという企業に興味を持つ学生も増えているはずです。ここからは求める人物像について聞かせてください。

 

 

佐藤

まず前提として、ボッシュではインターンシップでも受け入れ部署が選考を行います。人事部門が画一的に面接をして配属をするのではなく、部署ごとに選考を行うため、求める人物像はそれぞれ異なるということを理解しておいてください。

 

その上で、全体に共通しているのは「好奇心旺盛な方、学ぶことに前向きな方」です。多様性に富んだ組織なのでいろいろな個性を持った社員がいますが、好奇心旺盛であること、自分自身に素直で誠実であることは多くの人に当てはまると思います。

 

山本

ポジションに関係なく、それぞれの立場でリーダーシップを発揮できることも重要です。部長やリーダーなどじゃなくても、自分の考えや意見をきちんと発信できる、やるべきことを主体的に実行していく。ボッシュではキャリアパスも自分で決めていく会社ですので、周りに全部決めてほしいという受け身の方には合わないでしょう。

 

グローバルインターンシップについても、英語スキル以上に意欲を重視します。ですので「英語スキルに自信がない」という方も、すこしでも興味を持ったらぜひエントリーしてほしいです。これまで参加した学生の方々も、2~3週間という限られた時間ながらも必死で取り組むことで、驚くほど英語スキルを上達させているんですよ。

 

 

―――まずは一歩を踏み出してみるのが大事なのですね。それ以外に、学生のみなさんへのメッセージはありますでしょうか。
 

 

佐藤

「自分の人生の運転席にいるのは、自分」ということを大事にしてほしいです。例えば就活では、人気企業ランキングなどいろいろな情報がありますが、ランキング上位企業に入社することがゴールではありません。入社するのは1社だけですし、何より大切なのは企業とのマッチング。周りから何を言われてもあまり気にせず、自分がどういう生き方をしたいかをよく考え、自分に合う1社を見つけてほしいと思います。

 

また就活で1社を決めて入社をしても、働くうちに合わないなと感じるようになることもあるでしょう。私自身、入社して3年くらいで別のことがしたくなり、転職をしていますからね。どんな環境なら自分らしく働けるのか、自分のキャラクターや長所を活かせる場所はどこかを考え、自分の人生を決めていってほしいです。

 

山本

新型コロナウイルスの影響もあり、世の中も大きく変化している状況ですが、自分でこうだと決めた道を頑張って進んでほしいです。自分でやりたいことを決めて、そこに向けて努力していればできるようになることはたくさんありますから。

 

一方で、どう生きるか、自分が何をしたいのかをなかなか見つけられない人もいると思います。それを決めるために、インターンシップへの参加は貴重な機会になるはずです。ぜひ一歩を踏み出し、世界を広げていってほしいですね。

 

 

―――自分の意志で道を決めていくことが大事なのですね。では、そのために学生時代にやっておくべきことはあるでしょうか。
 

 

佐藤

いろいろな社会人に会い、話をしてみるのがいいと思います。例えばゼミや部活、サークルの先輩に連絡を取って話してみる、企業のOB訪問をする、など人それぞれいろいろなやり方があると思いますが、できるだけ多くの人に会い、自分の考えをぶつけてみたり、社会人の考えを聞いてみたりすることをオススメします。

 

知らない考え方に触れることで、自分にとって大事なものが何かに改めて気づくこともありますからね。私自身、就活時に多くの社会人に会い、「こう考えてみたら?」「その考え方は甘いよ」などいろいろなフィードバックをもらい、多くの発見がありました。自分の世界に閉じこもらず、ぜひ多くの人に会ってみてほしいです。


山本

最初からやりたいことが明確に決まっている人って、実は多くないと思うんです。就活中にやりたいことが見つからなくても、悪いことではありません。例えば海外一周、日本一周に出かけたっていいわけです。そうやって行動しているうちにやりたいことが見つかることもありますから。新卒で入社する会社がすべてじゃないですし、働くうちにやりたいことが出てくる場合もあるでしょう。ですので、そのときのベストを尽くす、楽しいと思ったほうに進む、くらいの気軽さでもいいと思いますよ。

 

就活のときって、真面目な人ほど正解を求めてしまいます。しかし、人生に正解はないですし、誰に評価されるものでもありません。だからこそ、最終的には自分の意志で納得できる道を選んでほしいと思いますね。

最後に

いかがだったでしょうか。取材を通じて感じたのが、多様性(ダイバーシティ)があって、一人ひとりがのびのび働けそうな環境があるということです。また、インターンシップも3種類のコースが用意されており、「学生に挑戦の機会をつくりたい、成長に貢献したい」という想いを強く感じました。このインタビューを読んで、ボッシュをはじめ外資系企業のイメージが変わった人もいるのではないでしょうか?すこしでも興味を持った方は、ぜひ次の一歩を踏み出してみてほしいと感じました。

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