食品業界とは?選考やインターンの情報も併せて解説!
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食品業界とは?選考やインターンの情報も併せて解説!

業界研究シリーズ(2)

食品業界は、毎日の生活に欠かせない「食」を提供している業界で、学生からの知名度も人気も高い業界です。「食べるのが好き」「衣食住の“食”に関わりたい」といった理由から、食品業界に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、そんな食品業界について解説しています。食品業界の概要、現状や将来性、働くメリットやデメリット、食品業界にある職種、選考の特徴、インターンシップの実施状況などを簡潔に紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

食品業界とは?

「食品業界」と聞いてみなさんがまずイメージするのは、普段見聞きすることも多い食品メーカーではないでしょうか。食品メーカーは、私たちが普段口にする食品をつくっている会社のことですが、実は食品メーカーにもいろいろな種類があるんです。また、食品業界には食品メーカー以外にもいろいろな企業が属しています。

食品業界の分類

食品業界に属する企業は、上で述べた「食品メーカー」だけでなく、原料調達を担う「第一次産業」「商社(総合商社の食料部門や専門商社)」「食品原料メーカー」、消費者に食料品を販売する「スーパーなどの小売店」「飲食店」などが挙げられます。それぞれの特徴について、以下で簡単に解説していきましょう。
 

■第一次産業

食品業界での第一次産業とは、農業や漁業、酪農畜産など食品製造に用いる原料を生産する企業の集まりです。

 

■商社

第一次産業で生産された原料を買い取り、食品メーカーへと販売する企業の集まりです。第一次産業と食品メーカーをつなぐ役割を担っています。

 

■食品メーカー

第一次産業や商社から買い付けた原料を加工し、最終消費者に届けられる食品をつくる企業の集まりです。主に9種類に分類されます。また、食品をつくるだけでなく、小売店や飲食店に自社の商品を販売するのも食品メーカーの役割です。

 

(1)調味料系

◎製品例/醤油、みそ、だし、マヨネーズなど

◎代表企業/味の素、キッコーマン、ミツカン

 

(2)冷凍食品系

◎製品例/冷凍コロッケ、ハンバーグ、シュウマイ、餃子

◎代表企業/日本水産、マルハニチロ、ニチレイ

 

(3)製粉系

◎製品例/小麦粉、中力粉、強力粉

◎代表企業/日清製粉、ニップン、昭和産業

 

(4)乳製品系

◎製品例/チーズ、バター、ヨーグルト、アイスクリーム

◎代表企業/森永乳業、雪印メグミルク、ヤクルト本社

 

(5)食肉・水産加工系

◎製品例/ハム、魚肉ソーセージ、ベーコン

◎代表企業/日本ハム、伊藤ハム、マルハニチロ、ニッスイ

 

(6)即席麺系

◎製品例/袋麺、カップラーメン、カップ焼きそば

◎代表企業/日清食品ホールディングス、東洋水産、サンヨー食品

 

(7)パン系

◎製品例/食パン、菓子パン、惣菜パン

◎代表企業/山崎製パン、フジパングループ本社、敷島製パン

 

(8)酒・飲料系

◎製品例/清涼飲料水、乳飲料、アルコール飲料

◎代表企業/サントリーホールディングス、コカ・コーラボトラーズジャパンHD、伊藤園

 

(9)菓子・スナック系

◎製品例/チョコレート、ビスケット、キャンディー

◎代表企業/カルビー、ロッテ、森永製菓

 

■小売店、飲食店

食品メーカーから購入した製品を、消費者に提供する企業の集まりです。スーパーマーケットやコンビニなどの小売店、飲食店などがこれに当たります。

 

食品業界の現状と今後の展望

続いて、食品業界の現状と今後の展望について説明していきます。

 

食品業界は生活に欠かせない「食」を扱っているため、なくなることがない一方で、急激に成長や衰退をすることもありません。農林水産省の「令和4年度 食品産業動態調査」によると、令和4年の日本経済は新型コロナウイルス感染症により経済停滞から徐々に回復傾向にあり、食品産業においても、徐々に景気が持ち直していくことが期待されています。しかし、エネルギー価格や物価高騰など生産コストの価格転嫁、食料品価格上昇による消費の低迷などの課題が生じています。2020年の「食品製造業 製造品出荷額等」は35兆5,984億円で、前年からわずかに減少していますが、2011年の30兆1,567億円と比較すると、約10年間で約118%の規模へと拡大しています。

 

そんな食品業界は不況に強い業界と言われていますが、今後は少子高齢化が進む中で、国内食品市場については状況が変わっていくことも考えられます。そこで今後は、以下のような変化が起こっていくと言われているようです。

 

■国内市場では多様化するニーズに対応

国内市場では、多様化する消費者ニーズをつかみ、新たな需要を掘り起こそうとする動きが生まれています。健康食品や高齢者向けの介護職、食事の宅配などは数年前から注目されていますし、「機能性表示食品」、電子レンジを使わないなどの節電・エコを意識した「SDGs関連食品」などの市場も拡大していくでしょう。働き方、暮らし方などが多様化していく中で、消費者ニーズに合わせた製品が今後も生まれていくと考えられます。

 

■海外市場への進出

海外進出によって売上拡大を目指す企業も増えてきています。特に注目されているのが、成長著しいASEAN諸国をはじめとする東南アジア、インドネシア、ベトナムなどです。これらの国々は味の好みも日本人に似ており、日本食が受け入れやすくなっているからです。低カロリー、低脂肪の食品が多い日本食への注目が高まっています。

 

食品業界で働くメリット・デメリット

最後に、食品業界で働くメリットとデメリットも紹介していきます。

 

食品業界で働くメリットは、食が生活に欠かせないものであるため、非常に安定した業界であり、将来の不安なく働けることです。また、自身が関わった食品をスーパーマーケットやコンビニなどの小売店で目にする機会も多く、いろんな場面で仕事の成果を見届けられるやりがいがあることもメリットと言えるでしょう。食や健康への関心が高い方であれば、仕事を通じて専門知識を深められることも魅力となるのではないでしょうか。

 

食品業界で働くデメリットは、成長性があまり高くないことです。少子高齢化による人口減少などから、国内の食品市場が急激に拡大することはありません。また、業界の安定性ゆえに年功序列的な風土の企業も少なくないと言えるでしょう。こうした背景から、成長している業界で自分を急成長させたい、早くから責任ある仕事を任されたいと考えている方にとっては、企業次第ではあまり向いていないと言えるかもしれません。

食品業界にはどんな職種がある?

食品業界の全体像について理解できたのに続いて、食品業界にどんな仕事があるのかを考えていきましょう。企業によっていろいろな仕事がありますか、ここでは代表的な職種について4タイプに分けて解説していきます。

 

■企画・マーケティング
消費者のニーズや好み、トレンドなどを情報を察知し、市場の調査・分析などを行い、消費者にとって魅力的な商品を考えたり、売れる仕組みを確立したりする仕事です。食品業界の中でも人気の職種と言えるでしょう。

 

■食品をつくる仕事
この領域にはさまざまな職種があります。新しい商品をつくるために基礎研究や応用研究、商品化研究をする人もいれば、安全かつ効率的に食品を生産できる仕組みを考える生産技術、生産管理などの仕事をする人もいます。

 

■食品を売る仕事
食品メーカーや小売店、飲食店などに自社の原料や食品を販売する仕事です。売上アップのためにキャンペーンを考えたり、スーパーマーケットの売り場を確保したり、プレゼンを行ったりとその内容は多岐にわたります。
 

■会社を支える仕事
食品業界に限らず他の業界にも存在する仕事ですが、経営企画、経理、人事・労務、総務、広報などさまざまな職種が会社の経営を支えています。

食品業界の選考の特徴とは?

食品業界は知名度も人気も高いことから、興味を持っている学生のみなさんも多いでしょう。ここからは、採用スケジュールや求められる人物像について解説していきます。

食品業界の採用スケジュールは?

ここでは、食品業界の中でも代表的な食品メーカーについて説明します。食品メーカーの採用スケジュールは、その他多くの業界の採用スケジュールと同じで、3年生の秋から春にかけてインターンを実施し、4年生の3月から本選考がスタートします。3月にESを提出し、Webテストを行い、その後3~4回の面接を経て内定という流れです。

食品業界で求められる人物像は?

続いて、食品業界で求められる人物像についてです。求められる人物像は企業によって異なりますが、代表的なものについていくつかご紹介していきましょう。

 

■「食」が好きな人、食への興味・関心が高い方

言うまでもないかもしれませんが、「食が好き」という方はやはり強いです。日頃からスーパーマーケットやコンビニで新商品をチェックしてしまう、日頃からよく料理をしている、食べ歩きが好き、レシピを考えるのが好き、成分表示をつい見てしまう…など、「おいしい」という感情につながる「好き」を持っている方にピッタリです。

 

■コミュニケーション力に強みがある方

営業職は小売店のお客様に自社製品を売り込んでいきますし、マーケティング職や開発職は多くの人と協力しながら新製品を開発していくことになります。さまざまな人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくことが求められる業界です。

 

■新しいアイデアを出すのが得意な方

消費者のニーズや好み、トレンドをつかみ、新しいヒットを生み出していくことが求められる業界です。日々さまざまなことからインプットを行い、新しいものを生み出していくためのアイデアを出せる方が求められています。

 

■チャレンジ精神が旺盛な方

比較的安定していると言われる食品業界ですが、消費者のニーズも多様化していたり、海外市場へ進出する企業が増えていたりと、これまでのやり方に捉われず新しいものを生み出していく姿勢が求められています。こうした背景から、現状維持で満足せず、何事にも積極的にチャレンジしていける方が求められています。

食品業界のインターン実施状況は?

最後に、食品業界に興味を持っている学生のみなさんに、インターンシップに関する情報を説明します。興味を持った方は、まずはインターンシップから参加してみましょう。

インターンシップの内容とは?

食品業界のインターンシップは、ワンデイ(1日)から1週間までの短期インターンシップがメインとなっています。ベンチャー企業やスタートアップ企業など一部の企業を除くと、長期インターンシップはあまり実施されていないようです。

 

インターンシップの実施時期は、他の多くの業界と同様、8~9月の夏休みの時期が多いです。秋や冬のインターンシップも実施されていますので、志望企業が明確に決まっている場合などは、企業のホームページやお知らせをこまめにチェックすると良いです。食品業界は人気の業界ですから、就活を有利に進めるためにも、短期インターンシップに参加することをオススメします。

 

インターンシップの内容は、会社の事業説明、工場見学、グループワーク、社員からのフィードバックなどが多いです。グループワークでは、新商品の開発ディスカッションを行うなど身近な内容で面白いものも多いです。最近では、コロナ禍の影響などもあってオンラインでインターンシップを実施する企業も増えています。

 

また、インターンシップではありませんが、食品業界に興味がある方は小売店や飲食店などでアルバイトをするのもひとつの手です。どんな食品が人気なのかトレンドを知ることができたり、調理スキルを身につけたりすることができるからです。食への知識を深めるという意味で、インターンシップ以外の方法も検討してみてください。

最後に

いかがだったでしょうか。食品業界の概要、選考におけるポイントやインターンシップについて解説してきました。食品業界に興味を持っている方は、まずは自分が良く知っている食品メーカーのHPをチェックし、インターンシップの情報を調べてみてはいかがでしょうか。いくつかの会社でインターンシップに参加することで、いろいろな違いも見えてくると思います。食品業界に限らず長期インターンシップにチャレンジしてみたいと思った方は、長期インターンシップ専門の求人サイト「キャリアバイト」がオススメです。興味があるものがあったらエントリーしてみてくださいね。

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