農林水産省のリアルを知ろう!インターンの魅力も紹介!
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農林水産省のリアルを知ろう!インターンの魅力も紹介!

農林水産省|大臣官房秘書課 山口 智暉、落合 真衣

農林水産省と聞いて、大学生のみなさんはどんなイメージを抱くでしょうか?「名前の通り、農業や林業、水産業に関わっている行政機関」「農学部出身の人ばかり採用しているのかな」「実はよく分かっていない」など、いろいろなイメージがあると思います。そんなみなさんにこそ、ぜひ読んでいただきたいインタビューです。

 

今回は、農林水産省 大臣官房秘書課で採用やインターンシップを担当されている若手職員、山口 智暉さんと落合 真衣さんにインタビューを実施。そもそも農林水産省は何をやっているのか、どんな方々が活躍しているのか、農林水産省のインターンシップに参加する魅力は何かなどの質問に加え、みなさんへのメッセージも伺ってきました。


ぜひチェックし、興味を持った方はインターンシップに挑戦してみてくださいね。
 

<プロフィール>
■大臣官房秘書課 企画第1係長(総合職事務系採用担当)|山口 智暉(やまぐち ともき)
大学では法学部に在籍。国際法のゼミを専攻。農林水産省を志望したのは、被爆者3世であり、海外に居住した経験から安全保障に関心があり、その中でも食料安全保障に貢献したいと考えたから。東京に身を置きながらも故郷のために働けることにも魅力を感じ、2019年に農林水産省に入省した。入省後は水産庁で2年、経営局経営政策課で約1年、法律改正や与党対応等に携わった後、4年目から大臣官房秘書課で採用業務などを担当している。


■大臣官房秘書課 企画第1係(総合職事務系採用担当)|落合 真衣(おちあい まい)

大学では法学部に在籍。子供の頃、国のために働く外交官の仕事に憧れを抱いたことをきっかけに、漠然と国家公務員を目指すように。その中で農林水産省に興味を持ったのは、食への関心が強かったことが一番の理由。昔も今も「食べることが人生最大の幸せ」と考えている中、「あって当然」ではない食の豊かさを今後も守っていけるようにしたい、食や農業を通じて日本の未来をより良くしていきたいという想いを持ったことから、2020年に農林水産省に入省した。最初の2年は農産局で米政策などを担当した後、3年目から大臣官房秘書課で主に採用業務に携わっている。

食料の安定供給を支えるのが、農林水産省の役割

農林水産省01

 

―――まずは、農林水産省の理解を深めるところから始めたいと思います。農林水産省と聞くと、農業や林業、水産業を支えているというイメージを持つ学生さんも多いでしょう。実際には、どんなことをやっている行政機関なのでしょうか。
 

 

山口
私たちのミッションを学生のみなさんに説明するとき、農林水産省の「ビジョン・ステートメント」を軸に説明しています。

 

【農林水産省ビジョン・ステートメント】

わたしたち農林水産省は、
生命を支える「食」と安心して暮らせる「環境」を
未来の子どもたちに継承していくことを使命として、
常に国民の期待を正面から受けとめ、
時代の変化を見通して政策を提案し、
その実現に向けて全力で行動します。

ここに書かれている通り、生命(いのち)を支える「食」と安心して暮らせる「環境」を未来の子どもたちに継承するというのが私たちの大きな役割です。このビジョン・ステートメントは、各職員の名刺の裏にも書かれていますし、各執務室にも掲示されていて、職員一人ひとりが日々意識しながら仕事に取り組んでいます。

 

「食」については、農業や林業、水産業による生産部分をイメージするかもしれませんが、農林水産業が支える「食」はもっと広いものだと捉えています。まず、私たちは、毎日何かを食べないと暮らしていけませんよね。つまり、生命(いのち)を支えているのが食べ物です。その食べ物が生産され、私たちの口に入るまでには、たくさんの人が関わっています。農業者や漁業者はもちろん、それを加工する食品産業従事者、流通業者、小売・飲食店の事業者など、さまざまな人の働きがあってこそ安心・安全な食事をとることができます。そんな「食」に関わる人すべてを支援し、国民のみなさんに食料を安定供給できるようにするのが農林水産省のミッションです。

 

「環境」については、ピンと来ない部分もあるでしょう。私たちが関わる環境は、農林水産業を振興することによって守られる環境だと考えてください。例えば、多面的機能という言葉を聞いたことはありませんか?農林水産業があるからこそ守られる生物多様性があったり、防災につながったりするというものです。他にも地域ごとの食文化や伝統芸能、お祭りなど、そこに人がいるからこそ築かれる文化・守られるコミュニティがあります。農林水産業は地方の基幹産業ですから、こうした一次産業を支援していくことで、各地の環境を支えていく。これも農林水産省のミッションだと考えています。

 

落合
農林水産省と聞くと、農林水産業の振興をまずイメージする人が多いと思います。もちろんそれも大切なのですが、一番のミッションとして「食料を安定的に供給する」というのがあって、そのために農林水産業を支えていると考えると分かりやすいと思います。農林水産省の一丁目一番地は、あくまで「食料の安定供給」なんです。
 

 

―――「農林水産省」という言葉からイメージしていた世界がかなり広がりました。そんな農林水産省で働くという視点で見ると、どんな特徴があるのでしょうか。
 

 

山口
農林水産省の守備範囲が非常に広く、活躍のポストがたくさんあるということです。「食料の安定供給」をミッションとしているからこそ、全国の地方自治体から世界各国の大使館や国際機関まで、至るところに活躍の場があります。

 

落合
日本国内では農地も減少し、生産者も減っているという現状から、農林水産業という産業に右肩下がりの印象を持つかもしれません。もちろんそういった事実はあるものの、私たちとしては「ピンチはチャンスなんだ」という意識で取り組んでいます。例えば生産者が減っているなら、農地を集積し、コストを下げつつ効率的に作業できるようにならないか。ドローンやロボット、AI、IoTなど先端技術を活用するスマート農業を推進できないか。課題の多い産業だからこそ、伸びしろも大きい。農業構造の変化や技術の進歩は、農林水産業を強くて魅力ある産業に変えていくための追い風とも言えるので、まさに今このチャンスをものにしていきたい、と意気込みながら仕事をしています。

 

 

―――国内外を問わず活躍の場が広がっていること、また今の時代だからこそチャンスがあることが伝わってきました。一方で、「農学部出身の人ばかり活躍しているの?」という声もありますが、実際のところはいかがなのでしょうか。
 

 

山口
そんなことはありません!…と声を大にして言いたいです。技術系の職員に関してはイメージ通り農学部出身者が多いのですが、事務系の職員に関してはほとんどが法学部や経済学部等の文系の学部出身者です。

 

落合
職員のカラーということで言うと、農林水産業や自然環境を相手にしているからか、比較的穏やかなタイプの職員が多いように感じます。ただ、人当たりは穏やかですが、胸の内には「食を支えたい!農林水産業を良くしていきたい!」「地方をより良くしたい!日本を支えたい!」と熱い想いを秘めている職員が多いのも特徴だと思います。

 

 

―――職員の方々の志望理由としてはどんなものが多いのでしょうか。

 

 

山口
「食料の安定供給に貢献したい」「食の多様性を守りたい」など食という切り口の人もいれば、「地方創生に携わりたい」という人もいます。私の同期には、「世界平和を守りたい」という職員もいます。志望動機は本当に人それぞれですね。

 

落合
私は東京の出身ですが、地方出身の職員も多いです。自分が暮らしていた地元が衰退していくのを目の当たりにし、自分が地方を支えたいと考えるようになったとき、一番効果的なのは、地方における農林水産業を強くすることだ、と考えて入省する人が多いのだと思います。

 

―――この項目では最後の質問です。農林水産省に関するお話で、「ここだけは学生のみなさんに伝えておきたい」という点をあげるなら?
 

 

山口
私からは二点あります。一点目は、農林水産省の仕事はかなり幅広いということです。地方から海外まで活躍の場がありますし、農林水産業・食品産業を核として、地方創生、国際、金融、保険、食文化、技術開発、環境などさまざまな領域に関わることができ、飽きることがないと思います。

 

二点目は、想像以上に若手に仕事を任せてくれる職場だということです。私自身、入省3年目で携わった法律改正では相当なボリュームを任せていただきました。

 

落合
農林水産省=農学部出身、農家出身の人が多いというイメージからか、農林水産省で働くことをそもそも検討していない文系の学生の方も多いと思うんです。しかし、例えば法学部出身で法曹資格を持っている人もいるなど、想像以上に多様なバックグラウンドを持った方が活躍していることを知ってほしい。まだまだ知られていないことも多いですから、まずは説明会やインターンシップに参加いただき、農林水産業の業務や職員のことを知ってもらえたらなと思います。

農林水産省で働くことのリアル、を知ってほしい

農林水産省02

 

―――ここからは、インターンシップの実施状況についてお伺いしていきます。まず最初に、農林水産省がインターンシップを開始した背景から教えてください。

 


落合
インターンシップを実施しているのは、「就業体験を通じて農林水産省の使命や仕事を知ってもらうこと」が一番の狙いです。国の仕事はなかなか見えないので、何をやっているか分かりにくいですから。インターンシップを経験することで興味を持っていただき、将来的に農林水産省を志してもらえたら何よりですが、まずは「ありのままの農林水産省を知ってもらうこと」を大事にしています。

 

山口
インターンシップの開催は、夏と春の年2回。部署により期間は異なりますが、1~3週間が多いです。原則として月曜日から金曜日までのフルタイムでの勤務となるため、長期休暇を利用しての参加を想定しています。学年は不問です。
 

 

―――農林水産省のインターンシップならではの特徴は何でしょうか?
 

 

山口
一番の特徴は、農林水産省の職員と同じ業務を担当してもらうことです。職員と同じ空間で、自分用のデスク、パソコン、メールアドレスが与えられ、実際の業務を担当していただきます。インターンシップ用に準備されたプログラムに取り組むだけではありません。過去にインターンシップに参加した学生であれば、国際会議の資料や法律改正の素案を検討したり、実際に会議や視察に参加してもらったりしています。実際の業務を体験してもらうことで、国が世の中に対してどう関わっていくのかを当事者として知っていただくことを大事にしています。

 

落合
民間企業の長期インターンシップは、3ヶ月以上にわたり企業で実際に働き、企業のリアルを感じられますよね。農林水産省のインターンシップは、その期間が短くなったようなもの。期間こそ短いですが、ワークショップ型ではなく、執務経験型で職員と同様の業務を体験してもらっています。

 

実際の業務を体験できることに加え、周りで職員が働いていますので、例えば「何時頃に出勤しているのか」「どのように仕事を進めているのか」「昼休憩はどう過ごしているか」「雑談をするのか、職場の雰囲気はどうか」「何時頃まで働いているのか」といったことも、目で見て、耳で聞いて、肌で感じられるでしょう。「農林水産省で働くことのリアル」を、ぜひインターンシップを通じて感じてほしいです。

 

 

―――インターンシップを通じて学べること、知ってほしいことは何でしょうか。

 


落合
農林水産省で、また中央省庁で働くことのリアルを、ミスマッチなく知ってほしいです。国の仕事と聞くと壮大なイメージを持つというか、日々新しい政策を打ち出したり、大きな制度改正をやっていたりすると思うかもしれません。しかし実際には、地道な仕事の積み上げで、それが国民の皆さんの暮らしや日本全体に大きな影響を与えることになるんですね。日々の仕事がどこにどうつながっているかを知ってほしいですし、そのやりがいや面白さを感じてほしいです。

 

山口

それに加えて、政策立案のプロセスを間近で見届けられることも貴重だと思います。普段、学生のみなさんがテレビや新聞で見ている世界の向こう側を見ることができるのは大きな魅力だと思います。

 

落合
私自身も、入省してテレビや新聞のニュースで見ている世界との距離が圧倒的に近づいたなと感じます。例えば何かの方針が発表された際、そこまでにどんなプロセスがあったのか、その裏でどんな人がどんな仕事をしてこうなったのか、というのがリアルに分かるようになるんです。社会の動きに対して、見る目が変わっていくのを感じられると思います。

 

山口
その経験は、将来民間企業で就職することになったとしても大いに役立つと考えています。国がどのように物事を捉え、どういったプロセスで政策立案をしているのかを知り、世の中がどう変化していくかを予測できれば、ビジネスの組み立て方は全く変わってくると思います。農林水産省のインターンシップで経験できることは、社会に出てビジネスをしていく上でも非常に役立つはずなので、民間企業への就職を考えている方もぜひインターンシップへの参加を検討していただきたいです。

 

 

―――求める人物像というか、こんな人と一緒に働きたいという考えはありますか?

 


山口
私個人の意見ですが、いろいろな人の意見を丁寧に聞き、意図を汲みとりつつ、物事を前に進めていける芯の強い方と一緒に働きたいと考えています。

 

また、ここまでの話でもあったように、農林水産省にはさまざまなポストがあり、多様な個性を持った職員が活躍しています。『BUZZ MAFF(ばずまふ)』を見てもらうと分かりますが、職員一人ひとりの個性を大事にする風土がある温かな環境ですから、安心して飛び込んできてください。

 

落合
前提として、求める人物像でカチッと定まったものはありません。むしろ、多様性があることが大事で、型にはまらないいろんな人がいるほうが良いと考えているくらいです。その上で前提として何が大切になるかというと、人間力というか、自分を信頼してもらう力が備わっていることだと考えています。

 

私たちの仕事は制度をつくって終わりではなく、その制度を実際に現場に浸透させて、利用してもらうことが重要です。そのため、制度に関わる人に対し、丁寧に説明し、理解してもらい、協力してもらうことが欠かせないわけです。そんなときに問われるのが、当事者の人間力です。相手にしっかり寄り添いつつも、物事を前に進めていかねばなりませんから。そういった点でのバランス感覚も問われるのではないでしょうか。

(参考)

>>>官僚系YouTuber『BUZZ MAFF(ばずまふ)』はこちら

学生のうちしかできないことを数多く経験してほしい

農林水産省03

 

―――最後に、これから社会に出る学生のみなさんへのメッセージを伺っていきます。まずは、農林水産省はもちろん、中央省庁で働くやりがいを教えてください。
 

 

山口
自分の手で社会をつくっている感覚は、どの職業にも負けないように思います。日々携わっている仕事の主語が、国であり日本。それができるのは中央省庁ならではです。

 

落合
私自身、就職活動では中央省庁と民間企業で迷っていた時期もあったのですが、自分が何のために頑張れるかなと考えたとき、「今、身のまわりに存在していて、日本を暗くしているような課題に向き合いたい」という想いが強く、「課題に向き合うということにとことんコミットできるのは国だけかな」と思ったんです。売上や利益というものを目標にするのではなく、「あるべき姿」を追求できるところは国家公務員の大きな魅力だと言えるでしょう。正義感のある方、社会を良くしたい方、誰かのためになりたいという方には中央省庁は向いています。

 

その上で農林水産省の魅力を伝えるなら、柔らかくて和やかな雰囲気があること。国家公務員と聞くとガチガチの印象を抱くかもしれませんが、普段から職場でも笑いがあり、上司・部下でも仲が良いんです。この点は農林水産省ならではだと思います。

 

山口
普段の会話で「日本の将来は…」みたいな話をすると、「意識が高い」と馬鹿にされることもあるかもしれません。しかし、この職場では、シビアに国の将来について正面から議論することも珍しくありません。それどころか、日々の議論から新しい政策の発想につながっていくこともあるくらいです。こうした環境は農林水産省や中央省庁ならではの魅力ではないでしょうか。

 

 

―――社会人の先輩として、学生時代に大切にしておきたいことを伝えるなら?

 


山口
学生のときしかできないことをやることだと思います。私の趣味は登山なのですが、学生時代は13日間かけて北アルプスを縦走しました。また、いろいろな人に会いに行けることも学生の特権ですから、ぜひ時間を有効に使ってほしいです。

 

落合

あとは、普段行かないような場所にも積極的に足を運んでみること。国内なら離島でもいいし、海外に行ってみるのもいいでしょう。日常じゃないところで自分の知らない世界を見ることで、価値観が変わることも多いと思います。学生時代の経験がキャリア選択に大きな影響を持つことは多いと思いますし、そのときに出会った人・見たものへの想いが原動力となって自分を支えてくれるかもしれませんから。

 

 

―――最後に、学生のみなさんへのメッセージをお願いします!

 


山口
グローバルからローカルまで、スケールが大きな政策ができあがっていく地道な過程を体験いただけますので、ご応募をお待ちしています。「食」と「環境」を未来の子どもたちに継承していくというミッションに共感いただける方にぜひ来ていただきたいです。

 

落合
働きやすさはどんどん改善されていますし、ここ数年でも劇的に変わってきています。男性職員が育休を取得するのも当たり前になってきいますし、デジタル化の推進でテレワーク環境もかなり整ってきています。もし今の段階で、国家公務員は働き方が厳しそう、両立が難しそうと考えているなら、そんな方にこそインターンシップに参加し、農林水産省で働くリアルを知ってほしい。まだまだ民間企業に比べて遅れているなという部分があるとしても、私たち若手の職員でさらに良くしていこうと思っていますので、一緒に未来を変えていきましょう。

最後に

いかがだったでしょうか。取材者自身、お話を聞くことで農林水産省のイメージが変わった点がいくつかありました。みなさんの中にも新しい発見があったり、農林水産省で働くことに興味を持ったりしていただけたら嬉しく思います。そして、もっと知りたいと思った方がいたら、ぜひ農林水産省のインターンシップに参加してみてくださいね。

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